田中康雅の不定期司法書士日記

2020年4月27日 月曜日

大切なことシリーズ~相続放棄、行方不明、信託編~

遺言を書こう。
いやいや今は信託の時代ですよ。
ちょっと待って。

ネットを調べれば、相続に関し、いろいろな情報が出ています。
本当にホームページの情報や事例と皆さんのケースが同じですか?
情報がありすぎるため、迷路に入っていないですか。

それぞれ個々の事情によって違いがあるとは思いますが、
最近、ご相談にこられた方で何がポイントだったのか。

・相続放棄
・連絡がとれなかった相続人がいた場合どうすればいいのか。
・信託


実際にお話しさせていただいたポイントを、
今回「大切なことシリーズ」として
お話しさせていただこうと思います。

みなさんご自身の相続で
何が大事なポイントなんだろうと
少しでも考えるきっかけにしていただけたらと思っています。



相続放棄
大切なポイントはなんですか?と聞かれたら、
たぶんほとんどの方が3ヶ月の期限と
お答えになるのではないでしょうか。
もちろん、正解です。
ただ、
その前にもっと大切ことがあります、
それは、「相続財産に手をつけない」です。
相続放棄の期限の前に相続財産を処分した場合、
単純承認となって放棄できなくなってしまうからです。

相続放棄の大事なことブログはこちら
「相続放棄で大切なこと」



連絡がとれなかった相続人がいた場合どうすればいいのか
相続人が行方不明だといってご相談に方がいらっしゃいます。
実は、行方不明ではなくて、音信普通なだけ。居場所がわからないだけ。
のケースがよくあります。

まず、相続人が現在どこにいるかしらべてみましょう。
連絡がとれなかった相続人がいた場合


そして、行方不明の場合及び居場所が分かった場合の心構えがこちら。
連絡がとれなかった相続人がいた場合 ver.2


では、実際の行動編はこちら
連絡がとれなかった相続人がいた場合 ver.3

ちょっと動くことからすべてが始まります。
そんな皆さんの背中をそっと押せればなあと思っています。



信託
昨今、認知症対策で皆さんも大変ご興味がある信託。
判断能力がなくなると、不動産売れない。預金おろせない。お金借りれない。
かと言って
成年後見だと、
裁判所の管理下におかれる。
専門家後見人への定期的な報酬発生。
本人のためのみで、家族のためになにもできなくなる。
相続対策はムリ。

このような問題を解決できる信託。
今後さらなる活用が期待されています。
詳細が今回のテーマではなく
1点だけ相続で大事なことを確認。

それは、
信託終了の際は、民法上の相続財産にはならない。
です。
信託終了後の財産帰属先を相続人と
することはできますが、これは遺産分割ではなく
信託契約上での話になります。

信託財産は、相続財産ではないにもかかわらず、
相続後のことを先に決めておくことになるので、
最後どのような絵を描いているか。
がとても大切です。

遺言があったとしても、信託契約が優先します。

たとえば、
昔作成した遺言で預金を相続人で均等に分ける
内容のものがありました。
万が一認知症になったら預金を下ろせなくなるので、
受託者を長女にし、預金を長女が引き出せるよう信託したとします。
介護が発生したら大変です。亡くなった時信託は終了させ、
将来の介護等の苦労を考えて財産帰属者を長女としました。

でも、実際認知症にはならずに、長女の財産管理はたまに預金を
引き出す程度でした。
相続開始後、すべての財産が長女です。

他の相続人は、信託するとは聞いていたが、
相続開始後のことは何も聞いていなかった。

相続人のみなさんはこの結果に納得しますか。



信託をしておこう。
このことだけに関心がいってしまい、
相続後のことをあまり考えずに信託をすると、
相続間で思わぬトラブルになってしまう可能性があります。
相続人全員のことを考えて信託することはとても大切ですね。
信託で大切なこと



川崎市麻生区新百合ヶ丘と稲城市で相続相談手続事務所
司法書士田中康雅

投稿者 司法書士 田中康雅 | 記事URL

2020年4月25日 土曜日

配偶者居住権スタート

平成30年度の民法改正により、
2020年4月1日から

配偶者が相続開始時に居住していた被相続人の所有建物を対象として,
終身又は一定期間,配偶者にその使用又は収益を認めることを内容とする法定の権利である
配偶者居住権を新設し,
遺産分割における選択肢の一つとして,
配偶者に配偶者居住権を取得させることができることとするほか,
被相続人が遺贈等によって配偶者に配偶者居住権を取得させることができることになりました。



4月1日以降に開始した相続に関する遺産分割協議の場合や、
4月1日以降に作成した遺言(死因贈与契約)から
配偶者居住権が認められます。

詳しい内容については、法務省ホームページをご参照ください。


ここでは、法律的ポイントを2点あげておきます。

① 配偶者に生涯又は一定期間の自宅居住権が認められました。

② 法定相続分での遺産分割を考えた場合、
  ①の権利は通常自宅所有権を取得するより価格が低いため、
  不動産以外の遺産をより多く取得することができるようになりました。


ただ、
遺産分割協議は当事者の合意があれば、法定相続分にしばられる必要はありません。

したがって、
相続人間でトラブルなく、納得できていれば、
あえて配偶者居住権を選択する必要はありません。

配偶者居住権で大事なこと(法律編)



税務上大切なポイントは、
被相続人死亡の1次相続、及び
配偶者死亡の2次相続で
相続税がかからなければ、
節税対策には基本的になりません。
1次、2次相続でどれくらい相続税が
かかるかのシミュレーションが必要です。

配偶者居住権で大事なこと(税務編)



また、
最終的に自宅を売却する場合、
譲渡税で特例を受けられない場合もあります。

配偶者居住権で大事なこと(税金2)


そうはいっても、
どうしても配偶者居住権を設定したい場合があるかもしれません。


被相続人の連れ子が相続人で現在音信普通のケース等


ですので、
みなさんのご家庭で必要かどうかは、
法律的観点、税務的観点、その他個々のご家庭の状況、心情等
総合的に判断し決めてください。

配偶者居住権でご不明な点は、
ご質問、ご相談ください。



その他配偶者関連のブログは以下をご参照ください。


相続で配偶者はどうしたらいいのか、
簡単にまとめました。
リズムよくアップテンポでお読みくだい。
実は内容凝縮されています。
配偶者の相続対策


おばあちゃんって
内緒で預金もってたりしますよね。
おばあちゃんの相続対策


おしどり贈与って何?
おしどり贈与


事実婚? 別居中の夫婦は?
居住用不動産の配偶者2000万円控除
別居中の配偶者への贈与


配偶者への居住用不動産についてのおさえておきたい税金編
贈与税は?動産取得税・登録免許税はかかるの?
夫婦間贈与と贈与税・不動産取得税


以上です。


当所では配偶と子どもの遺産分割に関するアドバイスを
多数行っております。
いつでも、お気軽にお問合せください。

川崎市麻生区新百合ヶ丘、稲城市周辺の相続相談
司法書士田中康雅事務所でした。

投稿者 司法書士 田中康雅 | 記事URL

2020年4月 5日 日曜日

贈与と遺言の違いを整理  外出・相談ができない方のために

前回のブログ
遺言と贈与 知識から知恵 選択の時代へ 

まとめ編としてお読みください。


遺言書を作成しましょう。
よくあるお話しですね。

遺言には他の相続人に遺留分があります。
相続人に認めれた相続に関する最低保証の権利。
(もちろん、一定条件で贈与でも同じです)
贈与VS遺言 その2



それじゃ、内緒でこっそり手続きしよう。と思っても、
遺言執行者がいなければ原則手続きはできません。
遺言執行者は相続人に遺言内容を通知する義務があります。
贈与は相続に通知する義務はありません。
贈与VS遺言 その1



では、早速贈与と言っても、
贈与税が結構かかってしまいます。
なら毎年ちょっとずつ贈与しよう。
贈与VS遺言 その3



贈与税は負担は減りますが、
相続人へ対しての特別受益は遺留分の世界に持ち戻し。
贈与VS遺言 その2



たとえ持ち戻し免除の意思表示をしたとしても。
持ち戻し免除関してはこちら



とはいえ、
10年を超える昔の贈与は、原則遺留分の対象からはずれます。
相続時精算課税贈与を選択すれば贈与税の特例があります。
贈与税は特例ありますが、相続時の精算。
税務上のメリットは期待できません。
毎年110万円の贈与税基礎控除は今後使えない。
暦年贈与VS相続時精算課税贈与



遺留分との関係では贈与10年経てば原則対象外。
ただしすべて認められるわけではありません。
「双方遺留分権利者に損害を加っていた場合」は遺留分侵害算定対象。
これは贈与者の態様によって違ってくる個別事情です。
贈与VS遺言 その2



一旦贈与してしまうと、
方針変換がむずかしい。
逆にそれがトラブルのもとになったり、
逆に親の面倒だれが見るんだ。
親の身柄や財産管理の奪い合いに発展なんてことも。


だったら、こっそり誰もわからず自宅で遺言作成。
状況に応じて方針変換。
遺言の書き換えもありかも。
贈与VS遺言 その5



一般論としては、
なんとなくマニュアルや指南書はありますが、
果たして、
それがみなさんに当てはまるものなのか?


実はそのヒント・解決が、
相談だったりします。
みなさんのご質問やご意見をうかがって、
はじめてイメージできるものでもあります。
ご家庭の事情、考え方等によってどれがベターなのか。
100%これがだという正解がありません。
ですので、
メリット、デメリットは何なのか
選んだ対策について今後どんなリスクがあり、
どうすればそのリスクを少しでも減らすことができるのか。

こんなことを皆さんといっしょに考えていきたいと思います。



おかげさまで、
一度ご相続のご依頼をいただいたかたで、
また、ご依頼いただいく場合が増えてきました。
4月に入って、みなさんも外出できない状況だと思い、
をちょっとでも選択肢の幅を持っていただこうと思い、
今回は、贈与と遺言にしぼってブログに書きまた。


他にもまだまだ選択肢があります。

贈与VS遺言VS信託VS後見制度VS生命保険

また機会をみてお話ししたいと思います




川崎市麻生区新百合ヶ丘
贈与遺言相続相談
司法書士田中康雅事務所

投稿者 司法書士 田中康雅 | 記事URL